【日本の代表的な聖母神】

概要
古事記では息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)・大帯比売命(おおたらしひめのみこと)・大足姫命皇后の名で呼ばれ、神社ではその名で祀られていることが多く「オキナガ」は地名(近江国坂田郡も息長)とも長寿の意味ともいわれ「タラシ」は尊称でこの語を名にもつ天皇も多い。

第十四代仲哀天皇の后で、八幡神として祀られる第十五代応神天皇の母である。神話伝説の華々しい活躍から、女神でありながら武の神としての性格を持ち、民族的な母子神信仰とも深く関係し、鎌倉時代に神仏習合的な女神として聖母大菩薩とも呼ばれた。

戦前までは歴史上の人物的な考えであったが、戦後研究が進み今日では七~八世紀に皇位についた推古、斉明、持統の三人の女帝をモデルにしたと考えられている。神功皇后は伝説に描かれる姿から卑弥呼とイメージを重ねられたりもする。

別名・別称
長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)、聖母大菩薩(しょうもだいぼさつ)、息長足姫命、等
神格
武芸の神、聖母神
性別
女神
神徳
母子神として安産守護、勝ち運を授ける神として、入試合格、厄除け、病魔退散、家内安全、開運招福など
備考
母子神信仰は母(聖母)と子(神の子)が一緒に神として祀られるもので、キリスト教の聖母マリアが処女懐胎(処女のまま(つまり男女の交わり無しに)子を宿すこと)として神の子キリストを生んだのと同様に、母と子の間の関係は父親不在という考え方に基づく信仰パターン。
神社
神功皇后の神威は、住吉信仰や八幡信仰とともに全国に広まった。

香椎宮(かしいぐう:福岡市東区香椎町)

住吉大社(大阪市住吉区住吉)

城南宮(京都府伏見区下鳥羽中島の前町)

忌宮神社(いみのみやじんじゃ:山口県下関市長府宮の内町)

宇佐神社(大分県宇佐市南宇佐)

気比神社(福井県敦賀市)

・鹿児島神社(鹿児島県)

石清水八幡宮(京都府八幡氏)

・その他八幡神社の本社、摂社、末社の聖母宮、聖母八幡宮(しょうもはちまんぐう)、神母神社などが全国各地にある

などなど。