少名毘古那神(すくなびこなのかみ)は、海の彼方にある常世国(とこよのくに)へと行ってしまい大国主神(おおくにぬしのかみ)が、
「私一人で、どうやって国を作っていったら良いのだろうか。一人ではできない。私はこれから、どの神と一緒に国を作れば良いのだろう」
と困り、悲しみ嘆いておられると、海の彼方から光を照らしながらやってくる神がありました。
その神は、
「丁寧に、しっかりと私を祭るのならば、私は一緒に国を作り協力しよう。もしそうでないのならば、国は成り立たないだろう」
と仰せになりました。
そこで、大国主神が、
「では、どのようにして御祭りすればよいのでしょうか?」
とお尋ねになると、その神は、
「私を、大和の国の青々とした山々が廻っている中の、東の山の上に祭りなさい」
こうお答えになりました。
この神は、御諸山(みもろやま:三輪山(奈良県桜井市三輪町))の大神神社(おおみわじんじゃ:別名「三輪明神」「三輪神社」)に鎮座れている神です。
このように御諸山の神の協力もあり、大国主神は葦原中国(あしはらのなかつくに:地上)を完成させ、国をお作りになりました。
そして、その葦原中国(あしはらのなかつくに:地上)は大変ににぎわい、その様子は高天原(たかまがはら)にも伝わったのでした。